岡山県新見市哲西町の荒戸山と鯉ヶ窪を訪ねた。
7時30分に広島新幹線口広場を大型バスで出発。
中国自動車道の東城ICを降りて、国道182号線を経て鯉ヶ窪湿原へ10時10分頃着。
当初2km先の荒戸山登山口の近くまでバスの予定が、峠越え道路の交通事情で歩くことになった。
鯉ヶ窪湿原から荒戸山の間は2km。
往復で4km。
この日の5月の青空と山野を彩る新緑。
田植えが終わったばかりの、のどかな田園風景は時として、
舗装道路を歩くのも悪くないとの思いを抱かせる。
荒戸山の標高差が200mで少し歩き足りない分を補って丁度良かったのか。
荒戸山(阿哲富士、備中の鍋山)
荒戸山が、まさに鍋を伏せたような形を(火山用語でトロイデ)して
田んぼの向こうに姿を現す。
標高は761.8m。
登山口が5百数十mであるから、標高差は、わずか200m程。
この山は200万年以上前に噴火し、その後浸食された火山の残った部分だと
いわれている。
登山口から3〜40分で登れる小さな山だが、山中には200年の樹齢を重ねた
コナラ、ケヤキ、イヌシデの巨木の他、リョウブ、カエデ、クヌギなどの
多くの広葉樹が葉を茂らせる。
又、中腹から上の登山道にはマグマが冷却する時に出来た柱状の割れである
「柱状節理」が数多く顔をのぞかせている。
荒戸山の柱状節理
下の左側の写真はどう見ても人工的な、例えばお城の石垣に見える。
しかし、これはマグマが冷えるときに岩が(玄武岩)割れて出来た柱状節理の
端面である。
信じられないが自然に出来たものである。
五角形、六角形の端面の中は下右の写真のように岩の奥深くまで、
柱状に割れている。
ここの柱状節理は、石垣に見える形が特に印象的で、山の中腹辺りの、いたる所で
見られる。
このような柱状節理を見るのは10数年前に英彦山で見て以来だ。
鯉ヶ窪湿原
入口を入ると、まず300年前の安政年間に築造されたとされる「鯉ヶ窪池」がある。
鯉ヶ窪池の先の谷合いの湿地が「鯉ヶ窪湿原」である。
新見市哲西町のHPでは「湿原の広さは3.6haで周囲の遊歩道を一周すれば
2.4km。
オグラセンノウ、ビッチュウフウロ、ミコシギクをはじめ380種類を越える
植物が自生している。
西の尾瀬といわれ新見市が保護管理しているが、地元住民の清掃など
の奉仕活動がある」とある。
山行のリ-ダKさんによると「西の尾瀬は少し言い過ぎ」とのことであった。
すると、さしずめ「西のミニ尾瀬」といったところか。
今現在、湿原にはリュウキンカ(下写真)が咲いていたが、これは湿原植物の、ほんの走りか。
入口の資料館にあった「はなごよみ」では、これから6月、7月にかけて、ハンカイソウ、トキソウ、
オグラセンノウ、ハナショウブなど多くの山野草が咲くようだ。
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